ムッシュWineColumn

【Vol.20 ブルゴーニュのワイン】

ボルドーと並ぶフランスの有名ワイン生産地ブルゴーニュのワインは、ワインの王様と呼ばれています。 ブルゴーニュでは主に赤ワインは「ピノ・ノワール」、白ワインは「シャルドネ」を使ってブレンドしない単一品種で造られます。 その他にボージョレ―・ヌーボーで知られた「ガメイ種」、白ブドウの「アリゴテ」などが栽培されます。

ブルゴーニュの産地

ブルゴーニュ地方はフランス東部に位置し、300mにわたって広がる6つのエリアに分かれています。 北部から順に、ミネラル豊かな「シャブリ」、偉大な赤ワインを生む「コート・ド・ニュイ」、素晴らしい白ワインの「コート・ド・ボーヌ」、フルーティーでバランス良い「コート・シャロネーズ」、リッチな味わいの「マコネ」、そして南端の「ボージョレ―」に続きます。

ブルゴーニュの「ピノ・ノワール」

ピノ・ノワールで造られる赤ワインは、とても繊細で官能的です。 有名なロマネコンティもこの品種で造られています。 淡い色調で比較的軽い印象のワインをイメージしますが、香りが非常に豊かで、酸味と滑らかなタンニンのエレガントな味わいです。 繊細なピノ・ノワールはグラス形状の影響を特に受けやすくて、必ずピノ・ノワールグラス(別名ブルゴーニュ・グラス)を使うことをお薦めします。 例えばボルドーグラスで飲んだ場合は渋みが強調されてしまい、ピノ・ノワール本来の美味しさを味わえません。 安価なピノ・ノワールは単調な味わいになりやすいのですが、少し良いものだと繊細でありながら複雑味が加わり、とても魅力的な味わいです。

ブルゴーニュでもっとも偉大な赤ワインが造られるのは、豊富なミネラル分を含む粘土石灰質土壌のコート・ド・ニュイです。 ジュヴレ・シャンベルタン、シャンボール・ミュジニー、ヴォーヌ・ロマネなど名立たる生産地が連なります。

ブルゴーニュの「シャルドネ」

シャルドネは白ワインの女王と呼ばれ、品種としての個性が少ないために、気候やテロワール・醸造の特徴を鏡のように表現するワインとなります。 その個性豊かな味わいは千差万別です。 牡蠣など貝類に相性が良いことで知られるシャブリもブルゴーニュの一部です。 北部のシャブリ地区で造られ、キンメリジャンと呼ばれる石灰質土壌と冷涼な気候から、フレッシュな酸味と豊富なミネラル感が特徴です。

ブルゴーニュの中でもコート・ド・ボーヌ地区はミネラル豊かで上質な白ワインが出来る産地です。 シャルドネは畑によって、また生産者によって味わいが大きく異なる品種なので、ワイン選びには慎重さが必要です。 (私は稀に出会うミルキーな風味のシャルドネがちょっと苦手です。)

ボージョレーの「ガメイ」

ブルゴーニュ地方南部に位置するボージョレ―ではガメイ種が多く栽培され、日本でもファンの多いボージョレー・ヌーボーもここで作られます。 ガメイ種で造られたワインの多くはフレッシュで軽やかな味わいで、ヌーボーに代表されるような早飲みワインです。 ただし北部の花崗岩土壌で造られるワインは骨格が強くスパイシーで長熟になります。

アリゴテ

白ブドウのアリゴテはミネラル感があり酸味の強い品種です。 かつてはブルゴーニュの主要品種でしたが、シャルドネの人気とともに主流は置き換わりました。 近年ではまた見直され、AOCブーズロンなど人気の村名ワインが造られています。

ブルゴーニュの格付け

ブルゴーニュの畑はクリマと呼ばれる小さな単位で区画が分けられ、その区画毎に格付けされます。 他の地域よりも、土壌によってワインの個性が大きく影響されるため、とても細かく区分されています。

グラン・クリュ(Grand Cru) … 特級畑

プルミエ・クリュ(Premier Cru / 1er Cru) … 1級畑

村名クラス(村名を表記) … 特定の村で造られるワイン

A.O.C ブルゴーニュ(A.O.C Bourgogne) …それ以外のブルゴーニュで造られるワイン

グラン・クリュとプルミエ・クリュは全体の1割程度しかなく、希少なためとても高価です。

ワイン愛好家
浦田 隆之

ヨーロッパ旅行がきっかけでワイン好きになり、ほぼ毎日ワインを愉しんでいます。
飲み始めたころは知らなかったワインを美味しく飲むための知識も少しずつわかるようになりました。温度や時間、グラスの違いなど、知ることで同じワインが2倍にも3倍にも美味しく頂けます。


※20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています

ワイン検索