ムッシュWineColumn

【Vol.18 マリアージュ】

フランス語で「結婚」や「組み合わせ」といった意味を持つ「マリアージュ」は、ワインと料理の相性を表現する言葉です。 ワイン造りが盛んなフランスでは、ワインだけを楽しむよりも、食事と一緒に飲むことが多く、そんな習慣だからこそマリアージュが大切にされています。

マリアージュとペアリング

料理とワインを合わせること、お互いの邪魔をしないように組み合わせることを「ペアリング」と呼びます。 それ以上に、組み合わせによってお互いの良さを引き立てあい、今まで以上の美味しさになるペアリングが完成したとき、「素晴らしいマリアージュ」と称賛されます。 ワインが料理を、また料理がワインを何倍にも美味しくするのが「マリアージュ」であり、そんな組み合わせに出会えたらとても幸せです。

ビールや日本酒、焼酎に比べて、ワインは果実の香りや複雑な味わいがあって、その範囲が幅広いく多様なのが特徴です。 個性が強いだけに、料理との合う、合わないがハッキリします。 そのため本当に合う個性同士が共演したときには素晴らしい味わいを楽しめるのです。 ワイン毎に味わいは違うので、先ずは代表的な組み合わせを紹介します。

白ワインに合う料理

基本的に冷やして飲む白ワインは、フルーティーでスッキリした味わいが多く、淡泊な料理によく合います。 すっきり辛口の白ワインには、魚介類や日本料理など、特に素材を活かした味付けの料理が合います。 熟成されたコクのある辛口白ワインでは、バターやクリームソース系などまったりした料理が好相性です。 また甘口白ワインなら、デザートやブルーチーズがとてもよく合います。

赤ワインに合う料理

タンニンの渋みがあって複雑な味わいの赤ワインは、肉料理やスパイスの効いた料理が一般的に好相性です。 ボルドーなどタンニンが効いてコクのある重ための赤ワインには、濃い味付けや脂の乗った肉料理が合います。 ピノ・ノワールなど渋みが少なく果実味と酸味のある赤ワインには、同じ肉料理でも薄い味付けのものやスパイスの効いた料理が合っています。

産地と合わせる

産地によって料理とワインを合わせる方法もあります。 その土地で食べられている食材に合わせてワインも発展してきたので、ワイン産地の郷土料理はそのワインに合いやすいと言えます。 フランス料理にはフランスワイン、イタリア料理にはイタリアワインが適しています。

味わいを補完する

料理にスパイスなどで味付けする感覚でワインを選ぶのも面白い組み合わせです。 例えばブルゴーニュのシャブリは、貝殻が多く見られる石灰質土壌から生まれる、酸味の効いたミネラル豊かなワインです。 これを生牡蠣に合わせると、まるでレモンを搾りかけたようにベストマッチします。

試飲でわかる意外性

ワインを試飲するときには必ず同じ数種類の食材を用意して飲み比べています。 生ハム、牛たん、カマンベールチーズ、ブルーチーズ、刺身(白身、赤身)、貝、レーズン、ナッツ、チョコレートなどです。 比べてみるとワインによって合うものが全然違うのに気付かされます。 2種類のチーズは両方合うワインもあれば、片方は抜群の相性なのにもう片方は全然合わないことが良くあります。 赤ワインに刺身なんてと思っていると、醤油で食べるお刺身は意外に合ってたりすることもあって楽しい瞬間です。 ブルーチーズなどの癖の強い食べ物にピッタリ合うワインに出会ったときは自然と笑みがこぼれます。

ワイン愛好家
浦田 隆之

ヨーロッパ旅行がきっかけでワイン好きになり、ほぼ毎日ワインを愉しんでいます。
飲み始めたころは知らなかったワインを美味しく飲むための知識も少しずつわかるようになりました。温度や時間、グラスの違いなど、知ることで同じワインが2倍にも3倍にも美味しく頂けます。


※20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています

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