ムッシュWineColumn

【Vol.16 白ワイン】

フレッシュでスッキリした味わいの白ワインは、日本酒に近い感覚なので和食に合うワインが多く、特に魚介類に好相性です。 グレープフルーツなどの柑橘類や洋梨、花の香りと果実味が瑞々しくて、アペリティフ(食前酒)にも最適です。 飲み頃温度は6~12度と赤ワインに比べて低めです。

白ワインの製造

白ワインは果皮や種を取り除いて果汁のみ集めてから発酵させます。 そのため、果皮に多く含まれるタンニンが殆ど含まれず、赤ワインのような渋みがないフレッシュでスッキリした味わいになります。 主に果皮が白っぽい色をした白ブドウが使われますが、赤ワインで使われる濃い色の黒ブドウが使われることもあります。 その場合でも色のついた果皮を最初に取り除くので、透き通った色合いになります。

1)除梗 果梗(房の実をつないでいる茎)を取り除く

2)圧搾 果粒を圧搾して果汁だけを集める

3)デブルバージュ 果汁をタンクに入れて不純物を沈殿、除去

4)アルコール醗酵 酵母によって糖分をアルコールに変える

5)熟成 タンクや樽で熟成

長期熟成タイプではまろやかに仕上げるためのマロラクティック醗酵や、パトナージュという攪拌を行う

6)澱引き・清澄・濾過 澱や不純物を取り除く

7)瓶詰め 瓶の中で更に熟成させる場合もある

白ワインの代表的な品種は、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリングです。 他にアリゴテ、ヴィオニエ、シュナンブラン、ピノ・グリ、セミヨン、ゲヴェルツトラミネール、ミュスカデ、コルテーゼ、日本では甲州などの品種が使われています。

シャルドネ Chardonnay

シャルドネはフランスのブルゴーニュ地方を中心に世界中で栽培され、「白ワインの女王」と呼ばれています。 品種としての個性が少ないために、気候やテロワール・醸造の特徴を鏡のように表現するワインが出来上がり、その味わいは千差万別です。

例えばブルゴーニュ地方のシャブリ地区で造られるシャブリは、キンメリジャンと呼ばれる石灰質土壌と冷涼な気候から、フレッシュな酸味と豊富なミネラル感が特徴で、生牡蠣を代表とした貝類に、また和食にもよく合います。 シャルドネの適温は比較的高い10~12度とされています。

ソーヴィニヨン・ブラン Sauvignon blanc

ソーヴィニヨン・ブランはグレープフルーツなどの柑橘類やリンゴ、洋ナシのフルーティーで甘酸っぱい香りと爽やかな酸味が世界的に人気な品種です。 フランスのボルドー、ロワール地方はもとより世界中で造られています。 フルーティーな飲み口は食前酒に最適で、魚介類とのペアリングとして、また日本料理とのマリアージュもとても相性よく楽しめます。 ソーヴィニヨン・ブランの適温は概ね7~9℃です。

リースリング Riesling

リースリングは主にドイツやフランスのアルザス地方で造られ、辛口もありますが甘口ワインも多く造られる品種です。 生き生きとした酸味と透明感のあるフレッシュな果実味、花のような香りが特徴です。 甘口は食事と合うの?と疑問に思われる方も多いのですが、これが意外にも合うんです。 試飲した甘口のケーヴェリッヒ・リースリングQ.b.Aはお刺身や生ハム、牛タンとも相性が良く、特にブルーチーズとのマリアージュは絶品でした。 リースリングの適温は7〜9℃ですが、甘口は5℃くらいに冷やした方がバランスが良くなります。

その他の品種

その他の品種も魅力的なものが沢山あります。 甘い香りと豊かな酸味のシュナンブラン、熟した果実の香りと穏やかな酸味のセミヨン、ライチや花の香り豊かなゲヴェルツトラミネール、ミネラル感と酸味が際立つアリゴテ、イタリアを代表するコルテーゼなど。 私はヴィオニエのフルーティーさの奥に感じる微かな苦みが好きです。 白ワインは基本どれも日々食べる料理に合わせやすいので重宝しています。

ワイン愛好家
浦田 隆之

ヨーロッパ旅行がきっかけでワイン好きになり、ほぼ毎日ワインを愉しんでいます。
飲み始めたころは知らなかったワインを美味しく飲むための知識も少しずつわかるようになりました。温度や時間、グラスの違いなど、知ることで同じワインが2倍にも3倍にも美味しく頂けます。


※20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています

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