【Vol.22 オレンジワイン】
鮮やかなオレンジ色が美しいオレンジワインは、白ワインの材料となる白ブドウを使って赤ワインの様な製法で造られるワインです。
白ぶどうの果皮や種子も一緒に醗酵させるため、白ワインにはないタンニンと呼ばれる渋みを伴ったワインが生まれます。
オレンジワイン発祥の地はジョージアと言われ、ジョージアでは「アンバーワイン」と呼ばれています。
オレンジワインの製造
白ワインは果皮や種を取り除いて果汁のみ集めてから発酵させます。
オレンジワインは除梗(不要な茎を取り除く)・破砕(実をつぶす)した後、果皮や種子も一緒にして醗酵させ、その後で圧搾して果汁を抜き取ります。
これは赤ワインと同じ製法で、醗酵する間に果皮や種子から渋み成分のタンニンや橙色の色素が抽出されオレンジワインになります。
1)除梗・破砕 果梗(房の実をつないでいる茎)を取り除き、実をつぶす
2)醸し・醗酵 果皮や種子を含んだ果汁を酵母によって醗酵(糖分をアルコールに変える)
3)圧搾 マールとワインを分離
4)熟成 タンクや樽で熟成
5)澱引き・清澄・濾過 澱や不純物を取り除く
6)瓶詰め 瓶の中で更に熟成させる場合もある
オレンジワインに含まれるタンニンにはワインの酸化を抑制する働きがあります。 そのため酸化防止剤などの添加物が少なくても熟成ワインの品質を保つことができ、自然派ワインに適した造り方と言えます。
オレンジワインのブドウ品種
オレンジワインに使われるブドウは白ワインに使われる品種と同じです。
その中で代表的な品種はヴィオニエ、リースリング、ゲヴェルツトラミネール、ピノ・グリで、シャルドネやソーヴィニヨン・ブランも使われます。
発祥の地として有名なジョージアではチヌリ、ムツワネ、カツィテリ、オレンジワイン造りが盛んなスロベニアではマルバジア、リボッラジャッラなど聞きなれない品種も使われています。
オレンジワインの味わい
先ず共通の特徴は白ワインにタンニンの渋みやコクがプラスされてやや複雑な味わいです。
香りは黄桃や熟したアプリコット、花、蜂蜜などが白ワインよりも比較的強く感じられます。
白ワインや赤ワインが品種、テロワール、造り方で大きく違うように、オレンジワインの香り、味わいもバリエーション豊かです。
白ワインに微かなタンニンを感じる程度のものから、スパイスを漬け込んだ様な強烈な個性のワインもあり、ワインの奥深さを実感します。
強烈な個性を持つオレンジワインは飲み手を選びます。
私も癖の強すぎるワインは苦手です。
オレンジワインを最初に飲まれるのであれば、比較的癖の少ないものをお薦めします。
マリアージュ
複雑な味わいを持つオレンジワインは、マリアージュにおいて万能な一面を見せてくれます。 試飲したオレンジワインはどれも殆どの食材で高評価で、食事に合わせるのに適していました。 白ワインや赤ワインが合わせにくい香辛料を使った料理でもオレンジワインなら相性が良いことがあります。 是非色んな料理にオレンジワインを試してみてください。