【Vol.9 ワインの飲み頃温度】
ワインは飲む温度によって香り、味わいが大きく変わります。
ワイン毎にその飲み頃温度があって、その温度で飲めばワインの持つ最高のポテンシャルを味わうことが出来ます。
全体的な傾向としては、低い温度で飲むと香りが少なくて味わいはスッキリ飲みやすくなります。
反対に高めの温度で飲むと香りが強くなって味わいも濃く感じられるようになります。
白ワイン、赤ワイン、スパークリングワイン其々で一般的に飲まれている温度と、ご家庭での温度調節の方法などを紹介します。
白ワインの適温
白ワインは6~10℃でそのフレッシュさを味わうことが多いワインです。
家庭の冷蔵庫の温度は概ね3~5℃とワインには少し冷え過ぎなので、冷蔵庫で冷やした場合は飲む少し前に出しておくと丁度良い温度で頂けます。
(野菜室ならそのままでもほぼ大丈夫です。)
良く冷えるコンプレッサー方式のワインセラーがあれば、白ワインの適温に設定しておくことができて便利です。
ブドウ品種によって飲み頃温度は若干違ってきます。
フランスのブルゴーニュ地方を代表とするシャルドネ種は、豊かな風味と柔らかい酸味が特徴でテロワールの個性をよく表現する品種なので、10~13℃とやや高めの温度でその個性を味わいます。
ソーヴィニヨン・ブランやリースリングなどは6~8℃と低めの温度でフレッシュさやフルーティーさを堪能します。
また甘口のワインの場合は5℃くらいまで冷やすとスッキリした甘みが楽しめます。
赤ワインの適温
赤ワインの飲み頃温度は15~18℃です。
よく常温と言われますが、日本の気温はヨーロッパより高いので、常温より少し低い温度になります。
冷蔵庫では野菜室でも冷え過ぎなので、ワインセラーが最適です。
あまり冷やさないのでペルチェ方式のワインセラーで十分です。
セラーが無い場合は、その時の室温にもよりますが飲む直前に10~30分くらい冷蔵庫で冷やすと良いでしょう。
赤ワインも品種によって基本的な飲み頃温度が異なります。
豊富なタンニン(渋み)やコクを楽しむカベルネ・ソーヴィニョンやメルローなどの適温は高めの17℃前後です。
タンニンが控え目でソフトな味わいのピノ・ノワールは低めの16℃くらいが適温です。
またボージョレ―を代表とするガメイ種やフルーティーな赤ワインはもっと低くて13℃前後です。
スパークリングワインの適温
スパークリングワインは炭酸でスッキリとした爽やかさを楽しめる6~8℃が適温です。 ただし同じスパークリングでもシャンパーニュのように香りやコクを楽しむタイプのものは、9~10℃くらいの方が芳醇な香りが解放され、より美味しくなります。 また気温が暑い季節はやや低めに冷やして爽やかさ満喫するのもお薦めです。
温度による違いを楽しむ
以上が代表的な飲み頃温度ですが、ワインの銘柄毎に適温は違ったり、飲む人の嗜好や気温によっても影響されます。
飲んでみて何か違うなと思ったら、少し温度を変えてみると新しい発見があるかも知れません。
時間がゆるされるなら、温度変化による味わいの違いを楽しむ飲み方もあります。
私は最初に適温より少し低めに冷やしたワインをゆっくり飲んで、テーブル上でワインの温度が上昇していく過程の香りと味わいの変化を楽しんでいます。