ムッシュWineColumn

【Vol.8 ワインの飲み方】

ワインの本来の美味しさを味わうために知っておきたいことがあります。 それは飲むワインの温度、抜栓後の時間、ワイングラス、食事との組み合わせです。

ワインの温度

ワインは温度によって香り、味わいが大きく変わります。 大まかに言うと低い温度ではスッキリと飲みやすく、高い温度では香りが高くて味わいが強くなる傾向があります。 一般的に白ワインの適温は7~12度、赤ワインの場合は16~18度です。 ただしワイン1本1本に一番美味しく飲める温度があるので、飲むワインの適温情報がある場合はその温度で飲みたいところです。

またワインをゆっくり時間をかけて飲んでいると、その部屋の気温に影響されてワインの温度も変わっていきます。 その変わっていく香りや味わいを感じるのもワインを飲む愉しみのひとつです。 味覚には個人差があるので、他の人とは違う自分に合った温度を発見するかもしれません。

抜栓後の時間

抜栓後の時間もとても大事です。 開けるワインはコルク栓などで空気から遮断されています。 抜栓すると空気が流れ込み、ワインは酸化が始まって変化していきます。 ワイン毎にそのベストな抜栓後の飲み頃時間があります。 これはワインによって大きく差があり、開けて直ぐが美味しいもの、しばらく時間が経つと香りが開いて華やかになるもの、酸味が落ち着いて穏やかになるもの、あまり時間に影響されないものと色々です。

時間を置くと美味しくなる場合の時間は、30分程度の短いものもあれば、開けてから丸1日経過した方が美味しいものもあります。 飲み切れなかったワインが1日後、また数日後に美味しくなるのは珍しくありません。 最初に飲んだ時に味わいがあまり感じられないとか、おとなしすぎて華やかさがないと思われたら、しばらく時間をあけると本来の美味しさを味わえる可能性があります。

ワイングラス

ワイングラスによって香りも味わいも大きく変わります。 これは使うグラスを変えるだけなので飲み方対処の中で最も簡単です。 揃えたいスティルワイン(発泡していないワイン)のグラスは4種類、赤ワイン用のカベルネ・ソーヴィニヨングラスと.ピノ・ノワールグラス、白ワイン用のシャルドネグラスとソーヴィニヨン・ブラングラスがあれば大体のワインに適応します。

ブドウ品種の特徴に合ったワイングラスの形状の他に、グラスの厚さが味わいに影響します。 薄いガラスの方が口当たり良く美味しく感じます。 投資は最初の一度だけ、それ以降のすべてのワインを美味しく飲めます。

食事との組み合わせ

そしてペアリングやマリアージュと言われる食事との組み合わせです。 個々のワインにはどんな食事に合うか解説してあることが多いので、それを参考に組み合わせて下さい。 日本酒と比較すると、ワインの方が味の幅が広く千差万別なので、組み合わせを大きく間違えると食事もワインも美味しく味わえません。 逆にワインと食材がピッタリ合うと、お互いの良さを引き立てあい、今まで以上の美味しさになるんです。 そんなシーンに出会えたら感動します。

ワインを愉しむ

購入したワインにこれらの情報があるなら、先ずはそれに近い状態で飲むことをお勧めします。 好みには個人差があるので絶対とは言えませんが、そのワインの特徴を最も引き出してくれる飲み方でしょう。 時間に余裕があってそのワインを知り尽くしたい場合は、温度や酸化による変化をじっくり飲んで味わうといった愉しみ方もできます。 飲み方によって様々な顔を見せるワインはまるで生き物のようです。

ワイン愛好家
浦田 隆之

ヨーロッパ旅行がきっかけでワイン好きになり、ほぼ毎日ワインを愉しんでいます。
飲み始めたころは知らなかったワインを美味しく飲むための知識も少しずつわかるようになりました。温度や時間、グラスの違いなど、知ることで同じワインが2倍にも3倍にも美味しく頂けます。


※20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています

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