サスティナブル農法

サスティナブルとは、「持続可能な」と訳されます。化学肥料や除草剤などの農薬をできるだけ使わないで、生態系とのバランスの維持を目指す農法です。

サスティナブル農法の特徴は、「絶対使わない」という厳格なものではないということです。化学肥料や農薬を絶対に使用しない農法だと高いレベルが必要で、生産可能な農家が限られてしまいます。しかし、絶対ではなくトラブルが起きた際には持続可能にするために、必要最小限で化学物質や農薬が使用されているのです。

サスティナブル農法では、生産性と環境への配慮のバランスを取ることが求められます。

オーガニック農法

オーガニック農法とは有機農法とも呼ばれ、化学肥料や除草剤などの農薬を一切使用しない農法を言います。ブドウの栽培ではカビや虫が発生するなどのトラブルが起きることがありますが、オーガニック農法では天然の素材を調合したものを使用します。

非常に高い技術が求められるオーガニック農法は、熟練のワイン職人でも成功させることが難しいと言われています。EUでは亜硫酸塩の使用量が規定されていますが、日本では規定がないので一般のワインと同様に使用している生産者もいます。

難しいオーガニック農法は、土壌や水質を汚染することなくワインづくりができることから、環境保全の面では重要視されています。

ビオディナミ農法（バイオダイナミック）

バイオダイナミックとも呼ばれるビオディナミ農法も、オーガニック農法と同様に一切の化学物質や農薬を使うことができません。オーガニック農法との違いは、カモミールの花や牛糞などの特殊な調剤を使うことです。これらの特殊な調剤は、プレパラシオンと呼ばれます。

ビオディナミ農法の特徴は、月の満ち欠けによって作業の工程が決められるなど占星術や天文学が取り入れられたスピリチュアルな要素です。プレパラシオンを使う時期や収穫、瓶詰などが月齢によって管理されています。高級ワインとして知られるロマネコンティも、この農法で造られています。

できるだけ自然に近い形でワインを製造する理由

フランスは、ヨーロッパの農業大国としても知られています。1960年代から1980年代にかけて化学肥料や農薬が大量に使われたことにより、大量のブドウを簡単に生産できるようになりました。しかし、大量生産されたブドウは個性が乏しいブドウになってしまいます。個性が乏しいブドウからワインを造ると、ワインも個性のない画一的な味わいになります。個性的なワインにするためには、醸造の際に人工的な手段を使わなければならなくなったのです。

ブドウの栽培においては、化学肥料を与えることで地表付近で栄養を吸収することができ、地中深くまで根を張らなくなるという変化が起こりました。化学肥料なしにはブドウが正しく生育しなくなるという悪循環に陥ってしまったことの反省から、有機栽培など自然や環境に配慮した栽培の方法が広がっていったのです。

ちょうど地球温暖化による環境問題への関心が高まったことも、自然派ワインの広まりを後押ししたと考えられます。

日本でも昨今オーガニック食品が浸透していることから、自然派ワインは今後さらに注目が集まっていくと考えられます。通販でこだわりのワインをお探しの方は、ぜひ自然派ワインをチェックしてみてください。

フランスを代表する自然派ワインの産地「ボルドー」

ボルドー地方は、フランス南西部のジロンドに位置します。ブルゴーニュと並びフランスワインの二大産地として知られています。ボルドーでは様々なワインが生産されていますが、最も有名なのは赤ワインです。ボルドーの赤ワインは、メルローやカベルネ・ソーヴィニヨンなど複数のブドウをブレンドして醸造することが特徴です。複数の品種をブレンドすることでワインの味が美味しくなるだけでなく、造り手のこだわりがワインに表現されるのです。ボルドーでのブドウの栽培やワインの醸造、ワインに関するビジネスは世界中から注目されています。

ボルドーワインには厳格な格付け制度があり、これは1855年のパリ万博から始まりました。シャトーごとにランクが定められているのが、ボルドーの格付けの特徴です。格付けされたシャトーのワインが素晴らしいことはもちろんですが、格付けされていなくても美味しい高品質なワインがたくさんあります。格付けだけにとらわれず、様々なボルドーワインを味わってみてください。ボルドーワインは、「ワインの女王」と称されています。

ボルドーワインは重厚な味わい

ボルドー地方で生産されるワインの中でも代表的なのが、赤ワインでしょう。ボルドーワインの赤は、重厚な味わいが特徴です。また渋みがあるのが特徴で、熟成とともにまろやかになってくるため、年代の経過とともに味の変化を楽しめるのもボルドーワインならではです。

ボルドーの赤はボトルも特徴的で、ブルゴーニュはなで肩のようなボトルなのに対して、ボルドーはいかり肩のようなボトルです。このような見た目の違いも、ボルドーの赤ワインのポイントです。

白ワインの女王「シャルドネ」

フランスワインの二大産地の一つ、ブルゴーニュ地方原産の白ブドウ品種が「シャルドネ」です。現在ではフランスだけでなくイタリア・スペイン・オーストラリア・チリ・アメリカ・南アフリカなど、世界各地で栽培されています。

シャルドネは、ピノ・ノワールとグエ・ブランの自然交配により誕生した品種で、すでに中世の時代には盛んに栽培されていたと言われています。ニュートラルなブドウ品種と評されていて、味わいや香りに強烈な個性はありませんが、このニュートラルさがシャルドネの魅力なのです。強い個性が突出していない品種だからこそ、気候や土壌によって味わいや香りが変化を遂げます。

ブルゴーニュ・シャブリのシャルドネは爽やかな辛口の味わい

世界各国で栽培されているシャルドネですが、ブルゴーニュの中の一地方、シャブリのシャルドネは酸味と爽やかな辛口が特徴です。その理由は、シャブリの地質と気候に由来します。シャブリには、キンメリジャンという土壌が広がっています。泥灰土と石灰層が交互になり、さらにカキの化石の小さな破片が混じっているため、ミネラルを豊富に含んでいます。また、気候は冷涼なため、独特の酸味と爽やかな味わいに仕上がるのです。